自主バンドがレーベル契約を勝ち取る方法を考えてみた
今EDMが世界的に流行していて、ジャンルを問わず洋楽の仕事をしたいなら絶対に押さえておかないといけない最も勢いのある音楽だと思いますが、
僕が大学生の頃の90年代には、テクノ・ハウスというジャンルが大流行していて、みんなヴァージンメガストアやWAVEなどのCDショップで試聴して、キラキラの服着てクラブに行くみたいな流れがありました。
まぁバブル時代のジュリアナみたいなところを受け継いだのかもしれませんが(汗)。
当時のテクノ・ハウスはとっても難解で複雑で”初心者お断り”っぽい雰囲気を出してましたね。
それに比べると今のEDMはとっても聴きやすいし、メロディもボーカルも良いですよね!
流行る理由もなんとなくわかります。
で、今回は自分がインディーズのA&Rだったらどう活動するのか?というのを真剣にシミュレーションしつつ、大きく環境が変化している音楽業界とそんな中でアーティストはどうチャンスを掴むべきかを考えてみたいと思います。
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何しろ情報がない時代だった
じゃあ自分が実際に活動していた頃ってどうやってたかな〜?
と思い出してみたのですが、
まずレーベルを作る前から洋楽パンク、特にポップ系には相当詳しかったです。
当時日本で一番詳しかったんじゃないかと自負するくらい(笑)。
まだそれを生業にはしていませんでしたが、色々な方々から相談を受けていたしアドバイスを求められていました。
実際に専門誌に出稿してたし、パッケージの企画もやってました。
単純に好きだったから欲求に任せて情報を集めていたんだと思いますが(笑)、
具体的には、
・ほぼ毎日CDショップに通う
・洋楽雑誌を買い漁る
・ライブ会場で情報交換
と、毎年何回もアメリカに行ってライブやフェスを観てましたね。
そこでもらうフライヤーや無料グッズや物販テントで話すこととか、クラブで見るバンドの前座とか、、、etc
そう考えると、思いがけない発見はライブ会場が多かったような気がします。
ライブ会場での出会いが多い(と思う)
何年もかけて貯まりまくった自分の中での情報と人脈を元にレーベルを立ち上げてからは、
・現地でライブを観る
・マイスペースで音源確認
・Purevolumeでネットサーフィン
・紹介または売り込み
が主なバンド発見方法だったと思います。
Bigmouth JPNのウリが、
”海外のカッコイイバンドをどこよりも早く日本に持ってくる”
ことだったので、
当時は本当に何度もアメリカに行って現地でバンドを探していました。
アメリカのA&Rと変わらないくらい未契約バンドと交流してました、現地で(笑)。
ライブを観るとそのバンドの色々なことが1度にわかるし、会場でチャンスをうかがっている人たち(フライヤーを会場の外で配っていたり、客として視察しているバンドマン、業界関係者、事情通のファンやグルーピーなどなど)と交流することで得るものがいっぱいありました。
ネットを使ったバンド発見方法の草分け
新しいバンドを探す際にレーベル始めた後だったと思いますが、急激に重要度が増していったのが、
の2つですね。もう1つ挙げるなら
もかな。
マイスペースは2003年設立だそうなんですが、当時はめちゃくちゃ騒がれましたよね!
確かバンドマンが自分の楽曲を無料で聞いてもらうために作ったコミュニティサイトとかなんとかっていうのがコンセプトで、当時無名のバンド達が自分の楽曲を披露する場がなかったことやアメリカを中心にしたITバブル”.comバブル”の影響に世界中の人が熱狂してユーザー5億人くらい集めたんですよね?
当時、彼らのレーベルMySpace Recordsと仕事をしたのでよく関わりましたが、音源チェックはここ!って感じで音楽関係者のマストアイテムだったんじゃないかと思います。今はすっかり情報サイトになってましたが(汗)。
マイスペも元々はパンク系のバンドが集まっていたサイトでしたが、規模が巨大になってオールジャンルになってしまい、お目当のアーティストじゃないと探しづらくなってしまって(それが衰退の理由か?)、そこからまた出てきたのがピュアボリュームでした。
登録自体はpurevolume.comも誰でもできたと思いますが、ここはパンク系強かった印象です。今も音楽サイトとしてやっていてなんだか懐かしかったです。
smartpunk.comは、老舗のインディーレーベルFearless Recordsが運営していたネットショップですが、日本でも”スマパン”の愛称でめちゃくちゃ流行りました!洋楽CDで日本で手に入らないものを大量に買ったあなた!日本でいうSTM Onlineのようなコアな人にはたまらない品揃えでしたよね!!
とはいっても栄枯盛衰(汗)、上記の3つのサイトは今やメインストリームからは見なくなってしまいましたね。
いいバンド探すときは本当にお世話になりました。
紹介・売り込みでも意外な発見がある
で、レーベルをスタートさせてある程度軌道に乗ってくるとネットワークができあがってきて、リリースをした周囲や噂を聞いた人たちからの紹介や売り込みが一気に増えます。
ありがたいことにBMJは世界中から本当にたくさんの紹介・売り込みをもらいました。
ちなみにFall Out Boyは売り込み・紹介系です!
え?と思うでしょうが、
当時の彼らは”第2のMIDTOWN”なんて言われていました。マジです。
紹介は一番確実で良いバンドが最も発掘できる方法なんですが、売り込みも意外とバカにできません。
思いがけない大発見があります。
多様化した情報供給の方法
といった感じでかなり長く回想してしまいましたが、
今だったらどうする?というと、ITの進歩や環境の変化で音楽業界も大きく変わってしまったので、バンドを見つける方法や口説き方なんかは変わっているでしょう。
以前なら、
・ライブ会場
・マイスペ、purevolume.com
・人脈
あたりからのスタートだったと思いますが、今だと、
・SNS
・you tube、Spotify
・人脈
・ライブ会場
といったところでしょうか?
見つける側からの視点がそんな感じだとすると見つけてもらいたいアーティストがやるべきことは、
以前だと、
・ツアーでライブをこなす
・マイスペとPurevolumeに音源をアップする
・自ら売り込む
といったところから、
・SNSで情報発信
・Spotifyやyou tubeに音源アップ
・ライブを頑張る
・自ら売り込み
って感じでしょうか?
こう比較すると、ツールは変わったけど良い音楽を創り出してみんなに聴いてもらう、観てもらうってところは変わっていないですよね。
A&Rは必死でバンドを探している
今の時代、レーベルや事務所に所属しなくても完全に独立してアーティスト活動を行うことも可能だと思うので、契約を結んでどこかに所属することがどの程度重要かはアーティストそれぞれの考え方になると思います。
が、なんでも自力で行うのはかなり大変だし、”売り方”をよく知っている人と組んで自分たちをより一層ステップアップさせていくのもとっても良い方法だと思います。
結論から言うと、
今も昔もA&Rは良いバンドを必死で探しています。
チャンスを掴みとるために
噂に火がついて人気が出たバンドと契約することもあるだろうし、全くの無名の頃から売り出して爆発するケースもあるでしょう。
要は、
何があるかはわからないってことだと思います。
だからこそ、
常に全力で頑張って欲しいんです。
会場に観客が2人だけだったとしても、そのうちの1人がEpitaphの社長かもしれません。
どこかのフェスやイベントで一人も観てない時でも、遠くから聞こえる音をアミューズのOne OK Rockのマネージャーが聴いているかもしれません。
A&R的視点でいうと、
逆境の下でブチギレている奴らを観るとゾクゾクします!
誰かの前座出演で、自分のファンではない棒立ちの観客の前で最高のパフォーマンスをしているバンドを観たらすぐ声をかけちゃいます。
パンク魂がうずきます(笑)。
思いがけないところから思いがけないチャンスを掴んだアーティスト達を数多く見てきた僕としては、これからチャンスを掴み取りたいと思うあなたには、
とにかく何事も全力で頑張って欲しい!
と思います。
最終的に根性論みたいな感じですいません!
具体的な方法は、今後思いついた順に発表していきますので、ご期待ください。
”ふざけんな!もっと具体的に教えろ!”
”お前面白いから話聞かせろ!”
などの質問・疑問や要望などは、問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
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